「リビングを広くしたい。でも、家族それぞれの部屋は減らしたくない」。戸建ての間取りを考え始めると、今の家をどこまで変えるべきか迷うことがあります。
壁を取り払う、柱を抜く、階段や玄関を移動する。できる工事を並べる前に、まず整理したいのは、これからの暮らしに必要な部屋と、今の家で生かせる配置です。
今回は、日野市にある昭和60年築の家を自社で買い取り、リノベーションした実例から、「変えるところ・残すところ」の考え方をご紹介します。
まず、家族に必要な部屋数を決める
この家は工事前、約7LDK。ダイニングとリビングが分かれていました。
私たちが想定したのは、すでに家族を持ち、さまざまな年齢の人が一緒に暮らす住まいです。広いLDKだけでなく、それぞれの部屋も必要になると考えました。
そこでダイニングとリビングをつなぎ、約22帖のLDKに。個室は1階に2室、2階に4室、計6室を確保しました。
ご自宅で考える場合も、「何帖のLDKにするか」と同時に、家族が今後必要とする個室数を整理することが出発点になります。
玄関と階段は、その位置を生かせるか
今回は玄関も階段も移動していません。間取りを大きく変えたのは主に1階のLDKまわりで、既存の配置を生かしながら、家族が集まる空間をつくりました。
玄関や階段を動かすことで暮らしやすくなる住宅もあります。反対に、位置を残したまま希望を実現できる住宅もあります。この事例では、移動を前提にせず、まず今の配置でどこまでできるかを考えました。
「動かす場合」と「残す場合」で、間取りと工事範囲がどう変わるかを比較することが大切です。

柱を抜けるからといって、必ず抜くとは限らない
ダイニングとリビングの境には柱がありました。梁がつながる箇所にある柱で、撤去するなら梁を掛け替える方法がありました。
今回は、柱を残した方がリノベーションらしい空間になると考え、あえて残しています。石膏ボードで巻き、木目のクロスで仕上げました。写真の木目は、柱の木材そのものを露出させたものではありません。
柱を残しても、ダイニングとリビングをつなぐことはできました。柱を抜くこと自体を目標にせず、完成後の空間を見ながら決めた部分です。

間取りだけでなく、建物の条件も整理する
購入時から、この家には建ぺい率・容積率に関わる面積超過があることを把握していました。既存不適格の状態に対応するため、1階の和室の約2畳分を減築し、その部分の外壁を造り直しました。登記も改めています。
これは、この物件の条件に合わせた対応です。間取りの希望と、建物ごとに確認する必要がある条件を一緒に整理しました。
外壁側の内壁を新しく造る箇所では、金物、耐力壁、断熱材を追加。和室の真壁は解体して断熱材を入れ、大壁に変更しました。性能の数値測定や検査は行っていないため、ここでは施工した内容をお伝えしています。
設備と内装は、暮らす人を想定して選ぶ
キッチン、浴室、洗面、トイレを更新し、外壁と屋根も全体を塗装しました。外構は工事していません。
内装は、多世代の家族が落ち着いて過ごせるよう、派手さを抑えた自然な色合いに。設備を新しくすることと、家全体の雰囲気を整えることを合わせて考えました。



この家は、完成後に6人家族が購入されました。広いLDKだけでなく、家族それぞれの個室を確保することも、住まいの選択につながった事例です。
当時の工事費は税込2,350万円
減築、内装・設備の更新、外壁・屋根塗装まで含む工事費は、施工当時で税込2,350万円でした。物件の売却価格ではありません。
物価や工事費が変わっているため、現在、同じ内容を同額で施工することは難しい金額です。今の費用は、ご自宅の状態と工事範囲を確認して考える必要があります。
今の家で、どこまで変えられるか
この事例は、玄関や階段を移動せず、柱も残しながら、LDKと個室の両方を確保した計画です。
ご自宅では、何を残せるか。希望の部屋数と広さをどう両立するか。MyDesign / 株式会社Izumidaでは、代表の泉田が今の家とこれからの暮らしを伺い、工事するところと残すところを一緒に整理します。
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