マンションの床選び|F様邸で考えたこと
今の床を、剥がす前に。
使えるものを活かす床リノベ。
愛犬のために床を変えたい。でも、今の床を全部剥がす必要はあるのでしょうか。床暖房がある場合は、どう考えればよいのでしょうか。
F様邸では、既存の床と床暖房を活かし、薄い床材を重ねる「上張り」を選びました。古いという理由だけで交換を決めず、今あるものと、これから必要な機能を見て判断する。その考え方と、張り替えとの違いをご紹介します。
自宅の床をどう直すか、工事前に相談する →まず確認したのは、今の床の種類と床暖房
F様邸の既存床は、無垢材ではなく、表面がシート仕上げのフローリングでした。LDKには防音フローリングと温水床暖房がありました。
代表の泉田が確認した判断材料の一つが、「無垢の床ではないこと」です。もし無垢材なら、素材の良さを活かし、状態に応じて磨き直して残す方法も考えたいからです。床をきれいにする方法は、今ある素材によって変わります。
また、床暖房は壊れていなかったため、再利用する計画でした。床暖房に対応することと、愛犬との暮らしに適した機能を備えること。その両方を、色や柄と合わせて選定条件にしました。
使える床を残し、撤去・処分の費用を抑える
F様邸では、費用を抑えられる上張りを、初めから前提にしていました。使える既存床を残せば、床を剥がす工事と廃材の処分が不要になるからです。壊れていない床暖房も、引き続き使う計画でした。
上張りで費用を抑えられる理由を、一般的な工事範囲の違いから整理します。
| 比較する点 | 上張り | 剥がして張り替え |
|---|---|---|
| 既存の床 | 残して、新しい床材を重ねる | 既存床を撤去して、新しい床材を張る |
| 撤去・処分 | 上張りする範囲の既存床を剥がす工事を省く | 剥がす費用・廃材処分費が加わる |
| 床の高さ | 上に重ねる分、周囲との取り合いを考える | 撤去後の下地と、新しい床の構成から考える |
F様邸で具体的に比較したのは、上張りに使う床材です。床暖房への対応や愛犬との暮らしに必要な機能を確認し、デザインと費用に合う製品を絞りました。
実際に必要な工事と費用は、既存床の状態や工事範囲によって異なります。
床を全部剥がす必要があるか、迷っていませんか。
今の床の写真と、滑り・傷み・段差など気になっていることをお送りください。残せる部分と、現地で確認する部分を整理します。
床暖房・愛犬・高さから、床材を絞る
採用したのは、LIXIL「リノバ うわばReフロア」。メーカー公表の厚さは1.8mmです。F様邸では、次の条件を合わせて比較しました。
床暖房に対応する
既存の床暖房を引き続き使うため、その用途に対応する床材から選びます。
愛犬の滑りに配慮する
見た目に加え、ペットとの暮らしに必要な機能を確認。採用品には小型犬の滑りに配慮した表面加工があります。
高さの変化を抑える
厚く重ねると、玄関などとの高低差が増します。周囲との納まりも考え、薄い上張り材から検討しました。
製品の防滑仕様は、すべてのペットの歩行への効果を保証するものではありません。
必要な機能と好みのデザインを、費用と合わせて
候補にはPanasonic「ウスイータ」もありました。泉田は、愛犬への配慮とデザインの希望に合い、当時比較した価格も若干抑えられたことから、LIXILを選んだと説明しています。これは今回の見積条件での判断で、現在の価格順位を示すものではありません。
薄い床材でも、境目まで考える
床材の厚さだけで工事は完結しません。玄関、工事しない部屋、建具などと接する部分も考える必要があります。F様邸の床の境目は、床見切りで納めました。
1.8mmは床材自体の公表厚さです。完成後の段差や見切りの寸法を示す数値ではありません。LIXIL公式の製品仕様・使用条件を見る ↗
元和室は、上張りする前の床づくりが違う
F様邸では、隣の和室も洋室へ変更しました。既存LDKは防音フローリングを残しましたが、元和室には新たに防音フローリングを施工し、その上をLDKと同じ床材で仕上げています。
既存のLDK
元和室を洋室にした部分
床づくりの違いを示す模式図です。実際の断面・厚さ・高さ・床暖房の位置を再現したものではありません。
同じ部屋のように見える仕上がりでも、すべて同じ工事をしているとは限りません。残す床と、新しくつくる床を分けて考えています。
「残す」「上張り」「新しくつくる」を分けて考える
MyDesignが大切にしていること
古いという理由だけで、交換を決めない。
今あるものが使えるなら、その価値を活かしたい。既存の状態とこれからの暮らしを見て、工事の範囲を考えます。
無垢床なら、磨いて残す選択肢も
無垢の床には、状態や仕上げによって磨き直す選択肢があります。泉田は、F様邸の既存床が無垢なら、まず素材を残す方法を検討しただろうと考えています。床の種類や傷み方が違えば、提案も変わります。
床を撤去するスケルトンなら、上張りの対象がない
床も撤去して躯体を現すスケルトンリノベーションでは、重ねて張るための既存床がありません。その場合は、新しい床の構成を計画する工事です。F様邸のように既存床を残して仕上げを変える方法とは、出発点が異なります。
残す床にも、確認する条件がある
古さだけで交換を決めないことと、どんな状態でもそのまま上張りできることは別です。採用品の取付け説明書では、腐れ・カビ・剥がれがある既存床には施工できず、浮きや床鳴りなどには事前の補修が必要とされています。
マンションでは管理規約や求められる遮音仕様も確認します。メーカーが示す直張り防音床への対応は、遮音等級ΔLL(i)-4/LL-45が対象です。上張り後の防音性能を保証するものではありません。床の状態、床暖房、遮音、周囲との高さを合わせて考えることが大切です。
上記はメーカーが定める施工条件です。実際の床に適用できるかは、現地の状態と合わせて確認します。メーカー取付け説明書(PDF)を見る ↗
見た目を選ぶ、その先の暮らしまで
床は毎日使うものです。気に入った色柄でも、床暖房や愛犬との暮らしに合わなければ、使い始めてから困るかもしれません。
泉田が考えていたのは、次に大きなリフォームをするまでの暮らしでした。年齢を重ねても長く使ってほしい。見た目だけで選んで、後から後悔してほしくない。必要な機能と費用を合わせて考えた背景には、その思いがあります。
使えるものは活かし、今の暮らしに必要な部分を整える。F様邸では、その方法として床の上張りを選びました。
F様邸のリノベーション全体を見る
キッチン本体を残した判断や、カウンター・和室・内装の改修は、施工全体の記事で紹介しています。430万円(税込)は改修全体の工事費で、床だけの価格ではありません。
床のリノベーションで、よくあるご質問
床暖房があると、床の上張りはできませんか?
F様邸では既存床暖房を活かし、床暖房対応の上張り材を採用しました。ただし、すべての床暖房・床材の組み合わせに適用できるわけではありません。既存設備と床の構成、採用する製品の条件を確認します。
和室の畳に、そのまま上張りできますか?
今回採用した床材は、畳の上に直接張る製品ではありません。F様邸の元和室は洋室化に合わせて防音フローリングを新設し、その上に同じ仕上げ材を張りました。
床だけの相談でもよいですか?
はい。まず気になっている床と、直したい範囲をお聞かせください。床暖房の有無や隣の部屋との境目なども伺い、現地で確認すべきことを整理します。
今の床を活かせるか、一緒に考えませんか。
床の写真、床暖房の有無、気になっていることから相談を始められます。図面や管理規約がお手元にあれば、合わせてお知らせください。代表の泉田が、残す部分と変える部分、工事範囲と予算をご相談します。
八王子・日野を中心にご相談を承っています。正式なお見積りは現地確認後にご案内します。
