キッチンが古くなり、そろそろ交換したい。けれど、せっかく工事をするなら、周りの壁や床も気になる。食事をする場所や、リビングから見える景色まで、一緒に整えられないだろうか。
今回ご紹介する八王子市のK様邸は、キッチン交換のご相談をきっかけに、ご夫婦ふたりの暮らしに合わせてLDK全体を見直した事例です。
採用したキッチンは、タカラスタンダードの「レミュー」。壁で囲われていたキッチンまわりの一部を開き、食事ができるカウンターを設けました。木目と焦げ茶色を組み合わせた、落ち着いた雰囲気のLDKです。
工事費は約459万円(税込)。工期は住みながら約3週間、そのうちキッチンを使えなかった期間は約5日間でした。
キッチン本体だけでなく、カウンターや棚、床・壁・天井、照明なども含めた今回の工事。その内容と、形が決まるまでの打ち合わせをご紹介します。
キッチン交換だけにするか、
LDKまで整えるか。
まだ工事の範囲が決まっていなくても大丈夫です。 今のキッチンで使いにくいところや、これからの暮らしで大切にしたいことをお聞かせください。 残せる部分・変えたい部分を整理しながら、ご予算に合わせて一緒に考えます。
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古くなったキッチンを、これからの暮らしに合わせて
K様が相談に来られたきっかけは、既存のキッチンに使いにくさを感じていたことと、古くなって交換の時期を迎えていたことでした。
ご相談時には、すでにショールームをご覧になり、タカラスタンダードのレミューを希望されていました。
一方、LDK全体をどう変えるかについては、思い描いていることを整理している段階でした。
リビングで心地よく過ごしたい。木の雰囲気を取り入れた、大人らしい落ち着きのある空間にしたい。そして、キッチンの前にカウンターを設け、そこで食事ができるようにしたい。
お気に入りのキッチンを選ぶことと、それを今の住まいにどう組み込むかは、つながっている話です。設備の使い勝手に加えて、食事をする場所、キッチンからの眺め、部屋全体の色合いまで、一緒に考えていきました。

約3か月、パースを見ながらカウンターの形を考える
初めてご相談いただいたのは2025年11月ごろ。ご契約は2026年2月ごろで、約3か月にわたって提案と検討を重ねました。
MyDesignからパースをお見せし、LDKの見え方やカウンターの形をご提案。打ち合わせの場ですべてを決めるのではなく、一度持ち帰って考えていただき、次の打ち合わせで調整することもありました。
カウンターひとつでも、どこまで伸ばすか、どのような形にするかによって、使い方や部屋の印象が変わります。平面図だけでは分かりにくい部分も、パースがあると「ここで食事をしたらどう見えるか」「リビングから見るとどのような雰囲気か」を確かめながら話し合えます。
今回もカウンターの形状を何度か提案し、K様のご希望に合わせて調整しました。
最初から希望をすべて整理していただく必要はありません。
「このような空間はいかがでしょうか」と形にしてお見せし、そこから好みや使い方を具体的にしていくことも、打ち合わせの大切な役割です。
キッチン横の壁を開き、LDKへ視線が通る空間に
施工前は、キッチン横の袖壁が視線を遮る構成でした。そこで、壁の一部を開口にし、柱を残しながら、キッチンとリビング・ダイニングの間に見通しをつくりました。
部屋の開放感は、床面積だけで決まるものではありません。同じ広さでも、目の前に壁があるか、その先まで見渡せるかによって、空間の感じ方は変わります。
K様邸では、キッチンまわりの壁を見直し、周囲とのつながりを感じられる計画にしました。


柱や腰壁には木目の表情を取り入れ、カウンターは焦げ茶色に。天然木を全面に使うということではなく、木目の仕上げと色の組み合わせによって、落ち着いた雰囲気を整えています。
なお、今回壁の一部を開けられたことが、ほかのお住まいでもそのまま当てはまるわけではありません。壁や柱を変えたい場合は、図面と現地で建物や設備の状況を確認し、変更できる範囲を整理します。
腰壁の上を、そのまま食事カウンターに
今回の見どころのひとつが、キッチン前の食事カウンターです。
腰壁の上端は、通常「笠木」と呼ばれる部材などで納めます。K様邸では、その部分をカウンター天板が兼ねる形にし、リビング側へ張り出した部分を食事にも使えるようにしました。
腰壁の上を覆う部分と、食事をする場所を一体で考えた納まりです。

ご夫婦ふたりの暮らしの中で、どこで食事をするか。キッチンの近くに、どのような居場所をつくるか。
キッチン交換と一緒に考えることで、設備と食事の場所をつなげた計画にできました。こうした使い方まで含めて、パースで形を確認しています。

コーヒー豆の置き場所まで、暮らしに合わせて
背面のカップボードまわりには、幅約1,800mm、奥行約150mmの固定棚を1段設けました。ここには、コーヒー豆などを置く計画です。
収納というと、引き出しの数や収納量に目が向きがちです。しかし、普段使うものをどこに置きたいか、何を見える場所に置いておきたいかによっても、必要な収納は変わります。
今回は、カップボードだけですべてを納めるのではなく、置きたいものに合わせて棚を組み合わせました。
背面の柄のある仕上げも、空間のアクセントです。木目の収納、焦げ茶色のカウンターと合わせ、キッチンの中からもリビング側からも楽しめる見え方を考えています。
レミューの設備と、ホーローパネルの使い方
採用したレミューは、間口2,550mmのI型キッチン。IHクッキングヒーター、幅600mmの食洗機、アクリル人造大理石のワークトップなどを組み合わせています。

キッチンパネルには、マグネットが使えるホーロークリーンキッチンパネルを採用しました。
マグネット対応の収納小物を取り付けたり、位置を変えたりできるため、壁に穴を開けずに使い方を調整できます。何をどこに置くと作業しやすいか、日々の使い方に合わせて考えられる点が特徴です。
表面がガラス質のホーローは、汚れを拭き取りやすいことも特徴です。K様邸では、引き出し内部にもホーローのトレイ・インナーケースを採用しています。
キッチンを選ぶ際には、扉の色柄や天板の印象とともに、引き出しを開けたときの使い方や、お手入れの方法まで確かめておくと、暮らしに合う仕様を考えやすくなります。
たとえば、次のような点です。
- 普段使う鍋や調理道具が、取り出しやすい位置に収まるか
- 食洗機に、いつも使う食器を入れやすいか
- 水や調味料などで汚れたときに、掃除しやすいか
- よく使う小物を、引き出しと壁面のどちらに置きたいか
K様がレミューを選ばれた決め手を、こちらで一つに決めつけることはできません。ただ、今回採用した設備には、こうした毎日の使い勝手やお手入れに関わる特徴があります。
メーカー参考:タカラスタンダード「レミュー」/ホーロークリーンキッチンパネル
約459万円に含まれるのは、キッチンとLDKの工事
K様邸の工事費は、約459万円(税込)です。
「キッチン交換で、この金額なの?」と感じる方もいるかもしれません。今回の金額には、キッチン本体に加えて、LDK全体を整える工事が含まれています。
| 主な工事 | 今回の内容 |
|---|---|
| キッチン・収納 | レミュー、カップボード、関連設備の交換・設置 |
| 壁・カウンター・棚 | 壁の一部解体、腰壁・柱まわりの仕上げ、食事カウンターと固定棚の設置 |
| 給排水・電気 | 配管の切り回し、配線・スイッチ・コンセント関連工事 |
| 内装 | 床のフロアタイル上貼り、壁・天井のクロス張替え、幅木工事 |
| その他 | 照明、床下収納庫関連工事、養生、廃材処分、クリーニング、現場管理など |

床は、フローリングを剥がして張り替える工事ではなく、フロアタイルの上貼りを採用しました。見た目が木目でも、使う材料や施工方法は異なります。

キッチンの商品・仕様、壁をどこまで変えるか、床をどう仕上げるか、照明やコンセントをどこまで見直すか。こうした内容を積み重ねた結果が、今回の金額です。
見積もりを比べるときも、総額だけでは判断しにくいものです。キッチン本体だけの見積もりなのか、周囲の内装や電気工事まで含むのか。含まれる工事と、残す部分をそろえて比べることが大切です。
※約459万円は、K様邸の仕様・施工範囲における実例です。すべてのお住まいに共通する定額価格ではありません。画像加工で加えた家具・小物は含みません。
キッチン交換だけにするか、LDKまで整えるか。
今の使いにくさとご希望を伺い、やる工事・残す部分・費用が変わるところを一緒に整理します。図面や今のお部屋の写真があれば、ご相談の際にお見せください。
住みながら約3週間。キッチンが使えなかったのは約5日間
今回は、仮住まいへ移ることなく、ご自宅で生活しながら工事を進めました。現場監督が養生を行い、生活する住まいの中で施工を管理しました。
工期全体は約3週間ですが、その間ずっとキッチンが使えなかったわけではありません。キッチンを使えなかったのは約5日間で、その後も床やクロスなどの工事を進めています。
ここは、住みながらのリノベーションを考える際に、分けて確認したい点です。
| 確認したい期間 | K様邸の場合 |
|---|---|
| 工事全体の期間 | 約3週間 |
| キッチンを使えない期間 | 約5日間 |
キッチンの使用が再開しても、LDK全体が普段どおりに使える状態とは限りません。床や壁の工事が続く間は、作業場所や物の置き場所にも調整が必要です。
住みながらの工事では、「いつ完成するか」とともに、「どの設備を、いつからいつまで使えないか」「工事中にどこで過ごすか」を工程と合わせて確認しておくと、生活の準備をしやすくなります。
今回の約5日間は、この現場での実績です。キッチンの位置変更や配管工事の内容などによって、必要な期間は変わります。
キッチンを選んだ先の、暮らしまで一緒に考える
K様邸では、お気に入りのキッチンを中心に、食事の場所、見通し、収納、内装を一緒に整えました。
何度か提案を見比べ、持ち帰って考え、パースで確かめる。その時間を重ねながら、今回のLDKの形が決まりました。
「キッチンが古くなった」というご相談でも、話を伺うと、周囲の壁や収納、食事をする場所にも気になることがあるかもしれません。反対に、今の配置や内装を残し、設備の交換を中心に考える方が合う場合もあります。
大切なのは、ご自宅の状態と、これからの暮らしに合わせて工事の範囲を決めることです。
希望がすべて整理できていなくても、「ここが使いにくい」「こんな雰囲気で過ごしたい」というお話から始められます。キッチンの商品が決まっている方も、これから選ぶ方も、今の住まいにどう合わせるかを一緒に考えましょう。
MyDesignでは、八王子・日野周辺の戸建て・マンションのリノベーションをご相談いただけます。代表の泉田が窓口となり、工事範囲と費用の考え方をご説明します。
わが家のLDK、どこまで変えられる?
キッチン・食事の場所・収納・内装を、今の暮らしとご予算に合わせて整理します。
