MYDESIGN / RENOVATION GUIDE
今の家を活かして、
同じ予算で、どんな暮らしを叶えるか。
「ここまで直すなら、建て替えた方がいいのかな」「リフォームにお金をかけても、古い家のままでは?」。大きな改修を考えると、費用だけでなく、家の寿命や完成後の暮らしも気になります。
使える柱や梁、残したい部屋があるなら、壊す前にリノベーションの可能性を確かめてほしい。八王子・日野で既存住宅の改修を手がけるMyDesignの泉田は、そう考えています。
建て替えでは、基礎や柱・梁など、家の骨組みをつくるところから費用がかかります。リノベーションでは、既存の骨組みを活かせれば、その分、毎日使う設備や内装、好きな素材に予算を回せる可能性があります。
ただし、既存の家をそのまま使ってよいか、希望する間取りにできるかは別の確認が必要です。この記事では、残す部分、変える範囲、費用の使い道を整理します。構造の状態や内部の傷み、工事の可否は、図面・現地調査と、必要に応じた追加調査や解体後の確認で判断します。
01 フルリフォームの前に、工事範囲を分ける
「フルリフォーム」という言葉だけでは、工事内容は決まりません。水回りと内装を広く直す場合もあれば、柱や梁などの骨組みを残して壁・床・天井を大きく解体する、スケルトンに近い改修もあります。
まずは、設備交換、複数の部屋を含む改修、家全体の改修のうち、どの範囲で希望を満たせるかを考えます。家全体を直す前提で相談を始めても、調べた結果、残せる部分が見つかることがあります。
図1|希望を叶えるために、どこまで変える?
今の配置を活かす
間取りに大きな不満がなく、キッチンや浴室、内装の使いにくさを改善したい方に。
- 向かない場合
- 部屋のつながりや動線が、暮らしに合っていない。
- 追加で確かめる
- 設備の寸法、配管、下地の状態。交換だけで不便が解消するか。
暮らす範囲を組み直す
和室とLDK、水回り、収納、寒さなど、つながる悩みをまとめて改善したい方に。
- 向かない場合
- 対象外の部分にも、先に対応すべき傷みや安全上の問題がある。
- 追加で確かめる
- 残す部屋との境目、壁・柱の役割、配管、断熱する範囲。
間取りと性能から見直す
家族構成の変化などに合わせ、家全体の使い方や設備を大きく変えたい方に。
- 別案も考えたい場合
- 残す骨組みの条件と希望が合わず、補修・補強を含む計画が予算に収まらない。
- 追加で確かめる
- 構造・劣化の状態、必要な申請、仮住まい、解体後の確認事項。
例えば、家族が集まるLDKを広げたいなら、使っていない和室を取り込む案と、家全体の配置を変える案では必要な工事が違います。「どこを新品にするか」と一緒に、そこでどう過ごしたいか、何を残してよいかを確認します。
02 同じ予算でも、お金を使う場所が違う
建て替えとリノベーションを、完成後の見た目だけで比べると、費用の違いが分かりにくくなります。どちらも新しいキッチンや床を選べますが、その前に必要になる工事が異なるからです。
図2|予算を考えるときの、出発点の違い
リノベーション
- 残す部分を調べ、必要なところを解体する
- 既存の骨組みを活かし、必要な交換・補修・補強を行う
- 希望する間取り、設備、内装、断熱などを組み合わせる
活かせる部分が多ければ、暮らしに関わる工事へ予算を回せる可能性があります。
建て替え
- 既存の建物を解体・撤去する
- 新たに基礎や骨組みをつくる
- 間取り、設備、内装、断熱などを計画する
既存の骨組みに合わせる制約を減らせますが、新しい骨組みをつくる費用も必要です。
キッチンや床に、予算をかける余地をつくる
柱や梁を活かせるなら、家を支える部分をすべてつくり直す必要はありません。その分を、料理しやすいキッチン、くつろげる浴室、手触りのよい床や建具などに振り向けられることがあります。
同じ総予算でも、設備や仕上げのグレードを上げられる可能性がある。これが、泉田がリノベーションを勧めたい理由のひとつです。ただし、補修・補強が多ければ、その費用が優先されます。骨組みを残せば、その費用がすべて設備に回るという計算ではありません。
好きなメーカー・素材から考え、設置条件と費用を確かめる
「このキッチンを使いたい」「床はこの質感が好き」という希望は、最初からお聞かせください。MyDesignでは、ご希望のメーカーや設備、素材を伺い、間取りや予算と一緒に検討します。
商品代だけでなく、搬入できるか、設置する寸法や下地は足りるか、配管・電気・換気をどうつなぐかも確認します。好きな設備を選ぶことと、その設備を使える状態に仕上げる工事は、セットで考えます。
新築でも選べる設備や素材は会社・商品によって異なります。比較するときは、標準仕様のままの金額と、希望の仕様に変更した後の金額を分けて確認しましょう。
今ある家なら、現場で変化を確かめながら話せる
「この壁を見直すと、隣の部屋とつながる」「キッチンから、ここにいる家族が見えるようになる」。今の家を出発点にすると、図面だけでは分かりにくい距離や広さも、現場で共有できます。
残したい柱や建具、家族の思い出がある場所も含め、これからの暮らしにどうつなぐかを考えます。好きな雰囲気やデザインも、工事の条件や性能と一緒に計画します。
03 坪単価・補助金ではなく、総額と内容をそろえる
新築の広告でよく目にする坪単価と、リフォームの見積もりは、そのまま比べられません。新築の坪単価にも、計算する面積や含まれる工事の違いがあります。リフォームは、同じ面積でも、残すものと変えるものによって必要な手間が変わります。
例えば、床面積が同じ家でも、「キッチンの位置を変えない」「配管から移動する」「床下地や土台の補修も行う」では工事内容が違います。既存の寸法や状態に合わせて、職人が一つひとつ納めていく工程も、費用に関わります。
| 比べる項目 | 見積もりでそろえたい条件 |
|---|---|
| 実現する暮らし | 必要な部屋数、LDKの広さ、収納、家事動線。建物の面積だけでなく、同じ希望を満たす案か。 |
| 建物の工事 | 解体、補修・補強または新しい基礎・骨組み、屋根・外壁・窓、設備・内装、配管・電気など、含まれる範囲はどこか。 |
| 設備と性能 | キッチンなどの商品・仕様と、断熱・耐震をどこまで改善する計画か。部屋単位と家全体の改善を混同していないか。 |
| 関連する費用 | 調査、設計、申請、必要な登記・測量、外構、引き込みなど。別途工事や手続き費用がないか。 |
| 暮らしの費用 | 仮住まい、引っ越し、荷物の保管など。工事代以外に必要な支出も見込んでいるか。 |
| 未確定の項目 | 解体後の補修、未決定の設備、追加調査など。確定額と仮の金額、金額が入っていない項目を区別しているか。 |
確認項目の例です。すべての計画に、すべての費用が必要になるという意味ではありません。
補助金が大きい案と、負担が小さい案は同じとは限らない
補助金がきっかけで建て替えに関心を持つ方もいます。ただ、補助額だけでは、最終的な負担は分かりません。補助を受けるために必要になる仕様や工事と、その費用も合わせて見ます。
2026年の住宅省エネ施策には、新築に加え、リフォームの断熱改修、窓、高効率給湯器などを対象とした制度もあります。対象住宅・工事・製品、申請時期や予算、他の制度との併用条件を、その計画ごとに確認します。[1]
− 利用できる補助金
= 実質負担額の目安
補助金は交付が確定した額と見込額を分けます。入金前に必要な支払いもあるため、実質負担額と、いつ・いくら支払うかを別に確認します。
わが家なら、残す案で希望を叶えられる?
今の家の図面や写真と、変えたいところをお聞かせください。間取り・性能・設備をまとめて考え、必要な工事と予算の使い方を整理します。
04 間取り・性能・保証をどう比べるか
玄関や階段の位置も、検討の対象にできる
リノベーションは、今の間取りをそのままきれいにする工事に限りません。玄関や階段の位置を含めて、生活動線を見直すことも検討できます。
ただし、柱・梁・壁の役割、床の開口、配管、敷地や法令などの条件があります。残す柱を空間の一部として見せる、設備の配置を変えるなど、希望を満たす別の方法も考えます。
2025年4月以降、木造2階建てなどの大規模な修繕・模様替えは、建築確認手続きの対象となっています。必要性は建物と工事内容で判断します。確認申請が必要な工事は手続きを前提に計画し、申請が不要な場合も法令への適合を確認します。[2]
耐震・断熱は、改修する範囲と目標をセットにする
寒い家を暖かくしたいとき、窓を替えるだけなのか、床・壁・天井まで含めるのかで計画が違います。耐震も、壁を増やす、接合部や基礎を含めて検討するなど、建物の状態に応じた確認が必要です。
「リフォームだから性能は上げられない」「新築と同じ設備を入れれば、家全体も同じ性能になる」とは考えず、どこを、何のために、どの水準まで改善するかを共有します。性能を示す数字や評価を希望する場合は、計画の最初にお伝えください。
既存住宅にも住宅性能を評価する制度があります。ただし、確認できる資料や現況によって評価できる内容が異なるため、必要な調査・評価の範囲と費用を確認します。[3]
保証は「何年か」だけでなく、「どこが対象か」を見る
新築住宅の法定10年間の瑕疵担保責任は、構造耐力上主要な部分と、雨水の浸入を防止する部分の一定の欠陥が対象です。キッチンなどの設備を含め、家のすべてが一律に10年間保証されるという意味ではありません。[4]
リフォームも、一律に「保証は2年まで」とは決まりません。施工会社の工事保証、設備メーカーの保証、加入する瑕疵保険は、それぞれ対象と条件が異なります。リフォーム瑕疵保険にも、工事をした部分を対象とする仕組みがあります。採用する保証・保険について、対象部位・期間・免責事項を書面で確認しましょう。[5]
05 傷みは部分交換も検討。解体後に決めること
柱や土台に腐食があるからといって、直ちに家全体を壊すという判断にはなりません。MyDesignでは、解体して状態を確認し、傷んだ部分の交換・補修を含めて対応を考えます。
一方で、交換する範囲や支え方、周囲への影響は、見えている一部分だけでは決められません。残す骨組みも、傷んだ部分を放置して使うのではなく、必要な対応を含めて活かします。
図3|解体前と解体後で、確認できることを分ける
分かる範囲で計画する
- 今の使い方と希望を整理する
- 図面と現況、見える範囲の状態を確認する
- 工事範囲と見積もりの前提を決める
- 内部を確認できていない部分を共有する
実際の状態で対応を決める
- 柱・土台・下地などの傷みを確認する
- 交換・補修・補強の方法と範囲を検討する
- 計画、費用、工程への影響を説明する
- 追加工事は内容・費用の了承後に進める
予算調整は、必要な補修と希望する工事を整理して行う
例えば、解体後に補修が必要だと分かった場合は、その対応を含めたうえで、設備や仕上げ、工事範囲を見直します。安全性や劣化への必要な対応を省いて、見た目だけを新しくする計画にはしません。
希望する工事を一度に行う案、使える設備や部屋を残す案、時期を分ける案などを比べます。工事を分けると、後から再び解体・復旧が必要になることもあるため、「今やらない工事」が将来の負担につながらないかも確認します。
補修・補強を含めると予算が合わない場合や、既存の条件では大切な希望を満たせない場合は、希望の優先順位や別の住まい方も含めて検討します。
06 実例に見る、残すもの・変えるもの
古い梁や建具を残し、暮らす場所を整えた実家の改修
八王子市T様邸は、昭和47年築の木造住宅の居住部分を中心に改修した実例です。家全体を一律に新しくするのではなく、ご夫妻がどう過ごしたいかと、予算を一緒に整理しました。
- 工事で姿を現した曲がった梁
- 既存の木製ガラス建具
- 使えるキッチンと洗面
- ご主人の仕事部屋は改修範囲から外す
- 和室をリビングへ取り込む
- ロフト床の一部を撤去し、吹き抜けに
- 階段を黒い鉄骨階段へ掛け替える
- 浴室交換と、対象部分の床・天井の断熱改修
残した梁や建具は、古さを隠す対象ではなく、家の個性になっています。同時に、これから使う場所の間取りや設備を整えました。思い出を残すことと、暮らしやすくすることを、一緒に考えた部分リノベーションです。
屋根もすべて替えず、家族の暮らしに予算を使う
別の戸建ての改修では、5人家族が集まるLDK、玄関収納、庭につながる土間を計画しました。当初検討した2階の大屋根の葺き替えは見送り、瓦を残し、1階の下屋はやり替えています。電動シャッターを手動に変更するなど、予算を調整しました。
「古いから全部交換する」ではなく、残す部分と必要な工事を分けて、家族が実現したい暮らしに合わせていく。その判断を、図面と現場、見積もりで具体化します。
残す・交換する判断は、それぞれの建物の状態に基づきます。同じ部分を、別の家でもそのまま残せることを示すものではありません。
07 相談前に整理したいことと、進め方
最初から「リフォームに決めた」「設備の品番まで決めた」という状態でなくても構いません。まずは、今の家で困っていること、残したいもの、これから実現したい暮らしをお聞かせください。
不便・希望・残したいものを共有する
寒さ、使わない部屋、狭いキッチン、収納不足などを整理します。「好きな床を選びたい」「家族の思い出がある建具は残したい」という希望も、最初から一緒に考えます。
図面と現地から、家の条件を確認する
建物の状態と工事に関係する箇所を見て、確認できたことと、追加調査や解体後の確認が必要なことを分けます。希望する間取りと、残せる部分を照らし合わせます。
工事範囲と概算で、予算の使い方を考える
部分改修、複数の部屋を含む改修、全体改修など、希望を満たす範囲を検討します。必要な補修・補強と、選びたい設備・内装を整理し、見積もりの前提と未確定事項を共有します。
図面・仕様・見積もりを具体化する
やる工事、見送る工事、採用する設備・材料を確認します。建て替え案も比較する場合は、改修案と同じ希望を満たすか、諸費用や仮住まいまで含めた条件かを確認します。
あると相談しやすい資料
- 所在地、建物の種類・築年、所有中か購入検討中か
- 今の間取り図や、過去の改修記録
- 部屋全体と、困っている場所が分かる写真
- 希望する工事、好きな雰囲気や設備
- 予算の目安、希望時期とその理由
未定の項目や、手元にない資料があってもご相談いただけます。すべてをそろえてから申し込む必要はありません。
MyDesignでは、代表の泉田が営業・相談から設計まで担当し、現場監督・コーディネーターと連携して進めます。既存住宅のリノベーションを中心に承っており、新築工事の請負は原則として行っていません。
08 費用・工期についてのよくある質問
Q.結局、リフォームの方が安いのですか?
使える骨組みや設備を残し、必要な範囲を改修できれば、つくり直す工事を減らし、費用を抑えられる可能性があります。ただし、補修・補強や解体の範囲、希望する仕様によって変わります。坪単価ではなく、同じ希望を満たす案の工事内容と総額を確認します。
Q.傷んだ柱が見つかったら、建て替えですか?
直ちに建て替えとは限りません。部分的な交換や補修も検討します。見えていない部分は解体後に確認し、必要な対応と費用・工程への影響をご説明します。追加工事は内容・費用をご確認いただき、ご了承後に進めます。
Q.急いで入居したいなら、リフォームですか?
既存を活かし、工事範囲を絞ることで、期間を短くできる場合があります。一方、大きな間取り変更、確認申請、解体後の補修、設備の納期なども関わります。希望する入居日と理由を最初に共有し、調査・設計から工事完了までの工程で確認します。
Q.住みながら工事できますか?
工事場所と生活場所を分けられるか、水回りと安全な通路を確保できるかなどで判断します。家全体を同時に工事する場合は、仮住まいも含めて検討します。住みながら進める場合も、工事の順番や期間を確認します。
Q.相談や現地調査、見積もりは無料ですか?
ご相談・現地調査・お見積もりは無料です。ご相談後に工事を依頼する義務もありません。正式な診断や別途の設計業務などが必要な場合は、無料で行う範囲と分けて、内容と費用をご案内します。
この家を残して、
どこまで暮らしを変えられる?
今の家で気になること、残したいもの、好きな空間をお聞かせください。八王子・日野を中心に、間取り・性能・設備と予算を一緒に整理します。
「どこまで直すべきか分からない」という段階から、ご相談いただけます。
ご相談・現地調査・お見積もりは無料です。正式な診断・別途の設計業務等が必要な場合は、内容と費用を事前にご案内します。