MYDESIGN / KITCHEN RENOVATION GUIDE
キッチンはこの値段なのに、
工事を含めると、どうして高くなるの?
その差を知るには、新しいキッチンのカタログだけでなく、 今のキッチンを外した後と、新しいキッチンが納まる場所 を見る必要があります。
ショールームやホームセンターで気に入ったキッチンを見つけ、 「この価格なら交換できそう」と思っていたら、工事の見積もりを見て驚いた。 そんなとき、知りたいのは「リフォームは家ごとに違います」という一言ではなく、 わが家のどこに、何の工事が必要なのかではないでしょうか。
八王子・日野でリノベーションを手がけるMyDesignの泉田です。 今回は、キッチンの交換で見落としやすい床・壁・配管と、 工事範囲の選び方を図でご説明します。
本文の図は、工事の考え方を説明するための模式図です。 実際の施工事例・製品図・施工指示図ではありません。 寸法や必要な工事は、建物と採用するキッチンごとに確認します。
01 キッチンを外すと、床に「跡」が出ることがある
今のキッチンの下まで、同じ床材が張られているとは限りません。 本体を外すと、仕上げのない部分や、 周囲と色・状態の違う部分が出てくることがあります。
そこに新しいキッチンを置いたとき、古い本体が隠していた範囲をすべて覆えるでしょうか。 同じ「幅255cm」などの表示でも、奥行き、足元の形、 側面の納まりまで同じとは限りません。
図1|上から見た、新旧キッチンと床の関係
交換前
本体の下は、外すまで確認しきれない場合があります。
交換後の想定例
新しい本体で隠れない部分は、床の仕上げ方を考えます。
床を直す場合も、いきなりLDK全面とは限りません
跡の状態や床材によって、部分補修、キッチン周辺の張り替え、 LDKまで含めた張り替えなどを比較します。 床材を張り足せても、既存品が廃番だったり、 経年変化で色がそろわなかったりすることがあります。
一方、新しい本体で既存の跡が隠れ、 床の状態や工事の条件にも問題がなければ、床の仕上げを残せる場合もあります。 「同じ接地範囲だから必ず床工事なし」とも、 「交換するなら必ず全面張り替え」とも、先に決めつけないことが大切です。
現地で聞いてみてください。
「新しいキッチンを置くと、今の床のどこが見えるようになりますか。
部分補修の場合、境目はどこに出ますか?」
02 キッチンの周りには、壁と床の「境目」がある
キッチンは、単独の家具のように置かれているだけではありません。 壁のキッチンパネルやタイル、足元の幅木、カウンター端部など、 周りの仕上げとつながっています。
幅木とは、壁と床の境目に付く細い部材のことです。 本体の大きさや位置が変わると、幅木が途中で途切れたり、 古いキッチンに合わせたパネルの端が見えたりする場合があります。
図2|本体だけでなく、周囲とのつながりを見る
上の丸:パネルや壁の端
新しい本体やレンジフードと、どこでつながるか。
下の丸:幅木の端
本体の横で、仕上げが途切れないか。
既存のパネルを生かせることもあれば、 撤去時の傷みや新しい配置に合わせて張り替えることもあります。 仕上げ材だけでなく、その下の壁を補修する必要があるかも確認します。
見積書に「キッチンパネル工事」と書かれていても、 どの壁を、どこまで、下地補修も含めて直すのかを、 写真や図に印を付けて確認すると分かりやすくなります。
03 同じ場所に置いても、配管の接続位置は同じとは限らない
キッチンには、水とお湯を送る管、排水する管があります。 交換時には、既存側から新しい機器への接続が必要です。 シンクや食洗機の位置、収納のつくり、 製品が指定する配管スペースによって、必要な位置が変わります。
位置が合わなければ、管の経路や接続位置を調整する 「切り回し」を行います。 キッチン全体を移動しなくても、 内部では配管の調整が必要になることがあるのです。
図3|本体の位置が同じでも、接続は確認する
給排水位置 床・壁から出ている管
指定位置 収納・機器と干渉しない位置
間をつなぐ接続工事。位置が違えば、切り回しも検討。
新しい引き出しを開けたら、その奥を既存の管が通っていて納まらない。 そうしたことを防ぐため、商品を決める段階で 現地の配管とメーカーの図面を照らし合わせます。
また、配管を新しい接続位置に合わせる工事と、 古くなった配管を広い範囲で更新する工事は別です。 「水道工事一式」で、どこからどこまでを行うのか を確認してください。 レンジフードの排気、コンロのガスや電源、食洗機の電源なども、 採用する機器と既存の条件に合わせて確認します。
04 「標準工事費込み」は、わが家の総額と同じ?
商品と工事がセットになった価格は、検討の入口として便利です。 ただし、その金額で対応する工事には範囲や条件があります。 表示価格が間違いという話ではなく、 自宅がその条件に当てはまるかを確認する必要がある ということです。
表示価格に含まれる作業
本体、既存キッチンの撤去・処分、組立・設置、 給排水や電気の接続、パネルなど。 何が含まれるかは、販売店とプランによって異なります。
現地条件で変わる作業
傷んだ下地の補修、床・壁を直す範囲、 配管の移設・更新、搬入経路など。 標準工事の範囲を超えるかを確認します。
実際に、販売店の公式案内でも標準工事の内容と、 劣化部分の補修など別途見積もりになる条件を分けています。 比較するときは「工事費込み」という見出しだけでなく、 その内訳と注意書きまで見てください。
泉田の現場経験でも、費用を左右するのは 「ここで床が切れる」「この管が収納に当たる」といった個別の条件です。 だから、正式な見積もりでは現地調査が重要になります。 ただし、外さないと見えない部分もあるため、 未確認の箇所と、追加が必要になった場合の説明・承諾の手順も先に確認しましょう。
05 キッチンを交換するなら、LDK全体を一度考えてみる
私がLDK全体を見たいのは、工事範囲を最初から大きく決めるためではありません。 必要になる補修と、今の暮らしの不便を一緒に整理するためです。
キッチンの前で2人がすれ違いにくい。冷蔵庫が遠い。 配膳のたびに回り込む。家電の置き場所がない。 本体を新しくしても、その悩みは残るかもしれません。 一方、今の配置が使いやすければ、 位置を変えずに交換する選択にも意味があります。
図4|工事範囲は、3つの考え方で比較する
交換と、必要な補修に絞る
今の動線に大きな不満がなく、床や壁も使える場合の候補です。 接続工事や必要な補修まで省くわけではありません。
確認点:補修の境目、既存部分との色の違い、残る不便。
周辺の仕上げと収納も整える
床・壁の補修が広がる場合や、 食器・家電の収納も改善したい場合の候補です。 本体の位置を大きく変えずに検討できることもあります。
確認点:仕上げを区切る位置、収納の奥行き、通路の広さ。
配置やLDKの使い方から見直す
向きや位置、ダイニングとの関係まで変えたい場合の候補です。 柱・壁・配管・排気経路など、 建物の条件から実現できる案を考えます。
確認点:増える工事と費用、その変更で解決する暮らしの悩み。
「どうせ床を直すなら、LDKも全部やった方が得」とは一概に言えません。 まとめて行うことで重複する作業を減らせる場合はありますが、 範囲を広げれば費用も増えます。
MyDesignでは、 希望のキッチンを設置するために必要な工事と、 暮らしを改善するために追加で選ぶ工事を分けて説明します。 何を見送り、その場合に総額がいくら変わるのかを確認してから、 範囲を決めましょう。
06 見積もりで、そのまま聞ける6つの質問
- 新しいキッチンを置くと、今の床の跡は隠れますか?
- 床・壁・パネル・幅木は、どこまで直しますか?
- 配管はどこを切り回し、どこを既存のまま使いますか?
- 標準工事に含まれるものと、追加になるものは何ですか?
- 必要な工事と、希望に応じて選べる工事を分けて説明できますか?
- 外してから問題が見つかった場合、費用を確認してから決められますか?
相談の際は、キッチン正面だけでなく、左右の壁、足元、レンジフード、 背面収納、ダイニングまで写る写真があると、話を始めやすくなります。 分かる範囲の間取り図や、気になっている商品の資料も役立ちます。 写真だけで工事範囲や正式な金額が確定するわけではありません。
新しいキッチンを選ぶ時間を、後悔のない計画につなげる
扉の色や天板、食洗機、引き出しの使いやすさ。 キッチン選びは楽しいものです。 その楽しさを大切にしながら、床・壁・配管まで一緒に見ておけば、 「本体は気に入ったのに、周りが気になる」という行き違いを減らせます。
八王子市の高尾・西八王子周辺、日野市などで、 キッチン交換をきっかけにLDKや住まい全体を見直したい方へ。 MyDesignでは代表の泉田が、現地調査、間取り、設備選び、 工事範囲と費用のご相談を承ります。
参考: LIXIL「リフォーム費用の相場は?」 / エディオン「キッチン入れ替えプラン」の標準工事・注意事項 (2026年10月13日確認)。 掲載条件はプランや時期によって異なります。 当社の工事条件・価格を示すものではありません。
文・企画:MyDesign/株式会社Izumida 泉田啓一
図:工事の考え方を説明する模式図
