MYDESIGN / 住まいの性能・快適さ
毎朝、窓を拭く暮らし。
対策は「湿気」と「冷たさ」から。
窓の水滴を拭いても、翌朝にはまたびっしり。窓台やカーテンまで濡れると、「換気が足りない?」「窓を替えないと直らない?」と迷います。
結露対策の基本は、室内の余分な水蒸気を減らすことと、窓や壁の表面を冷やしすぎないこと。拭き取りは住まいを傷めないために必要ですが、水蒸気の発生量や窓の冷え方が変わらなければ、繰り返すことがあります。
八王子・日野でリノベーションを手がけるMyDesignです。この記事では、まず自宅でできる見直しを整理し、窓の結露と窓際の寒さには内窓を検討の入口として、ガラス交換・窓交換・壁などの断熱まで比べます。
記事で整理できるのは、原因の候補と工事の選択肢です。雨漏りや壁の内部の状態、実際の工事範囲は、写真だけで決めず現地での確認が必要になります。
本文は冬の室内側の結露を中心とした一般解説です。写真はAI生成の説明用イメージ、図は模式図です。MyDesignの施工事例や、工事前後の実測結果ではありません。
01 暖房しているのに結露するのは、なぜ?
結露は、空気中の水蒸気が冷たい窓などの表面で冷やされ、水滴になる現象です。「室内と外の温度差」だけで決まるのではなく、室内の温度・湿度と、水滴がつく面の温度が関係します。
水蒸気が水滴になり始める温度を「露点温度」といいます。室温が20℃でも、窓の表面が20℃あるとは限りません。部屋は暖かいのに窓だけ冷たければ、その窓で結露する条件が整うことがあります。[1]
図1|同じ室温20℃でも、湿度で条件が変わる
| 室内の相対湿度 | 露点温度の目安 |
|---|---|
| 40% | 約6.0℃ |
| 50% | 約9.3℃ |
| 60% | 約12.0℃ |
| 70% | 約14.4℃ |
例:室内20℃・湿度60%、窓の表面10℃
露点は約12℃なので、10℃の面では結露が生じる条件になります。
したがって「湿度60%以下なら絶対に大丈夫」とは言えません。冷たい面が残れば、もっと低い湿度でも結露します。一方、結露を止めるためだけに室内を極端に乾かすのも、暮らしやすい解決とは限りません。湿度と窓の冷え方を、両方から見直すことが大切です。
02 「窓が濡れる」を、場所で分けてみる

拭くと取れる水滴
冬の朝などに出る表面結露が候補です。ガラスだけか、アルミ枠にもつくか、窓台まで流れるかを記録。室内の温湿度と窓の断熱性を一緒に考えます。[3]
拭けない曇り・水滴
2枚のガラスの間の密閉層が曇る場合は、封着部の劣化などによる中空層内結露の可能性があります。室内の換気だけで解決する問題と分け、メーカー・施工店へ相談します。[4]
窓以外も湿っている
空気が動きにくい場所の冷えや、壁などの断熱状態も確認したいケースです。窓だけの対策でよいかを決める前に、部屋全体を見ます。[5]
結露と決めつけない
雨漏りや設備の漏水なども切り分けます。いつ濡れるか、雨との関係、周囲の染みを伝えてください。断熱工事を選ぶ前に、水の原因を確認する必要があります。
複層ガラスの「密閉された中空層」と、後から付けた内窓と既存窓の間の空間は別です。後者の結露については04で説明します。
カビだけでなく、木部の腐朽・シロアリ被害にも目を向ける
結露による水濡れで気を付けたいのは、カビや内装の汚れだけではありません。窓台や周囲の木部が湿った状態が長く続くことも、軽く考えないようにしましょう。国土交通省の木造官庁施設向け資料でも、雨水や結露水がたまりやすい場所や、裏面など見えない部分では、木材の腐朽やシロアリによる被害が生じやすいと説明されています。[14]
ただし、結露したら必ず木が腐る、シロアリが来るという意味ではありません。窓に水滴があることだけで、壁の中の被害を判断することもできません。窓台が濡れたまま乾かない、壁紙の浮きや染みが広がる、木部が変色しているなどの場合は、拭き取りだけで様子を見続けず、水の原因と傷みの範囲を確認することが大切です。
現場経験から伝えたい、原因と傷みを確かめる理由
MyDesign代表の泉田啓一は、雨漏りやシロアリ被害、木部の腐朽が進んだ現場を複数経験しています。これらを、結露が原因だった事例として紹介しているわけではありません。それぞれの水濡れや被害を見てきた立場から、表面をきれいにする前に、「なぜ濡れるのか」「どこまで傷んでいるのか」を確認することを大切にしています。
相談では、次の3点を分けて整理します。
- 水の原因:結露なのか、雨漏り・設備の漏水などなのか。濡れる時期や雨との関係、周囲の状態を確認します。
- 傷みの範囲:仕上げ表面だけか、窓台・下地・柱や土台などにも及ぶか。見えない部分は、必要に応じて仕上げを開けるなどして確認します。
- 必要な対策:水分が入り続ける・残り続ける原因への対策に加え、状態に応じて防腐・防蟻処理や、傷んだ部分の補修・交換を検討します。
表面の見え方だけで補修範囲を決めず、開けて初めて分かる部分は、その結果を踏まえて工事内容を整理します。水濡れを見つけたことだけで、大がかりな工事が必要と決めるわけではありません。
内窓は窓まわりの断熱性を高める選択肢ですが、シロアリ対策や、すでに傷んだ木部の補修が完了する工事ではありません。水濡れや被害がある場合は、その原因への対策・防腐防蟻・補修の必要性と、内窓や断熱工事の役割を分けて考えます。
03 今日からできる結露対策は、5つ
1.室温と湿度を、結露した時間に見る
日中の湿度だけで判断せず、結露が出た朝や暖房中の状態を見ます。加湿器のすぐ横、直射日光や暖房の風が当たる場所は避け、測った場所も残しておくと比較しやすくなります。
2.調理・入浴・部屋干しの湿気をためない
水蒸気は、加湿器だけでなく普段の生活からも出ます。調理・入浴時は換気設備を使い、部屋干しは換気や除湿を組み合わせます。開放型の石油・ガス暖房は燃焼によって水蒸気を室内へ出すため、暖房方式も確認します。[6]
3.換気の「入口」と「出口」を確認する
24時間換気などの設備がある家では、通常の運転と給気口の扱いを取扱説明書で確認します。寒いからと給気口を塞いだり、換気を止めたりしていないか、フィルターが汚れていないかも見直しましょう。換気設備があることと、空気が適切に流れていることは別です。[7]
4.家具の裏や押入れに、空気の通り道をつくる
外壁に面する家具や収納を密着・詰め込みすぎにせず、状態を確認できるようにします。窓際もカーテンを閉めれば結露が止まるとは限りません。窓とカーテンの間の冷え・湿気にも気を配ります。[5][8]
5.出た水滴は拭き、周囲を濡れたままにしない
水滴を拭くのは、窓台や内装を傷めないための大切な手入れです。ただし、吸水テープや結露対策グッズで水を受け止めることと、結露する条件を変えることは区別しましょう。市販品を使うときは、ガラスや枠への使用条件を確認します。
生活を見直しても、毎朝同じ窓が濡れるなら
暮らし方だけの問題として我慢せず、窓の断熱性や、部屋の冷え方も確認する段階です。反対に、窓を替えても湿気の出口がなければ十分な対策にならないことがあります。
04 内窓は「今ある窓の内側に、もう一つ窓」を付ける工事
内窓は、既存の窓を残し、室内側へ別の窓を追加する方法です。窓まわりの断熱性を高め、室内側の面が冷えにくい状態を目指します。窓の結露に加えて、窓際の寒さも気になる家で検討したい選択肢です。

図2|内窓と複層ガラスは、別の言葉
「内窓なら結露ゼロ」とは言えません
内窓の効果は、製品の仕様、取付け状態、室内の温湿度などで変わります。また、内窓と既存窓の間に湿った空気が入ると、冷たい外側の窓で結露が出る場合があります。内窓を少し開けたまま暖房すると、湿気が入り続けることがあるため、暖房時はきちんと閉める使い方が基本です。[9]
取り付ける前に、使い勝手も確認する
窓台の奥行き、取付け面の状態、カーテンや家具との干渉、開閉のしやすさを確認します。奥行きが足りず、取付け部分を室内側に広げる部材が必要になる場合は、見た目と費用も変わります。出入りに使う窓なら、毎日の動作まで考えて選びましょう。
マンションでは、既存窓が共用部分として扱われる場合があります。内窓を含め、管理規約・工事申請・取付け場所を確認してから進めます。賃貸住宅は、工事前に所有者や管理会社への確認が必要です。[10]
05 内窓・ガラス交換・窓交換、何が違う?
「結露するから窓を替える」と決める前に、どこを残し、どこを変える工事かを揃えて比べます。商品代だけでは、自宅に必要な範囲が分かりません。
内窓を追加する
検討しやすい条件:窓の冷えが主な悩みで、室内側に取付け場所を確保できる。
確認点:開閉が二重になること、取付け奥行き、周囲との干渉、既存窓側の結露。
ガラスを交換する
検討しやすい条件:既存サッシに適合するガラスで、必要な改善を見込める。
確認点:ガラス部分を替えても枠は残るため、冷たいアルミ枠の結露まで同じように改善するとは限らない。
サッシごと交換する
検討しやすい条件:枠の断熱性や劣化、開閉不良も合わせて見直したい。
確認点:交換工法、開口の大きさ、内外装の補修範囲、マンションの管理規約。
壁・床・天井などを断熱する
検討したい条件:窓以外にも冷えや湿りがあり、断熱の状態を調べる必要がある。
確認点:どの面を対象にするか、断熱のつながり、防湿・気密、解体と内装復旧。内窓とは解決する範囲が異なる。
工法の一般的な比較で、どの家でもすべて選べることを意味しません。窓まわりの改修方法はメーカー資料も参照し、適合製品と現場の条件を確認します。[11]
06 窓だけでよいか、壁・床の断熱まで考えるか
入口は内窓でも、最初から家全体の工事をする必要があるとは限りません。逆に、窓以外の湿りや寒さを見ないまま、窓だけで十分とも決められません。
図3|工事範囲を広げる前に、確認する順番
- 結露の場所と、生活の湿気を確認
窓だけか、壁・収納もか。換気・加湿・暖房の使い方を整理。 - 内窓など、窓の対策で担える範囲を確認
残す窓の状態と、取付け条件を見て比較。 - 残る寒さや湿りに応じて、断熱の範囲を検討
壁・床・天井、隣室との関係、内装改修の予定も合わせて考える。
窓以外の冷えが残ると、そこでも結露する可能性があります
窓を改善しても、室内の湿気が多く、別の壁などが冷えたままであれば、ほかの場所で結露することがあります。「結露が窓から壁へ必ず移る」という意味ではありませんが、窓の改善と換気・湿度の見直しを一緒に行う理由はここにあります。[12]
壁の中は「断熱材を足す」だけでは決まりません
壁の内部の結露は、見えている水滴とは分けて考えます。断熱材の種類・厚さだけでなく、湿気が入る経路、気密・防湿、外へ乾かす経路まで関係します。既存の構成を確認せず、内側から断熱材を足せばよいとは限りません。[13]
内装や間取りも変える予定があるなら、壁・床を開く範囲と断熱工事を合わせて考える方法もあります。一方、使える内装を残したい場合は、窓から手を付ける案と比べて、解体・復旧の負担を整理します。
07 費用は「窓の数」だけでは比べられません
同じ内窓でも、寸法、窓の形、ガラス仕様、取付け条件で費用が変わります。大きな窓1か所と小さな窓1か所を同じ単価で数えたり、壁の断熱まで含む見積もりと商品価格だけを比べたりしないことが大切です。
見積もりで揃えたい条件
- 対象の窓の場所・数・寸法と、ガラス・枠の仕様
- 既存の窓台や枠の状態、取付け部材・下地補修の有無
- カーテンや周囲の内装など、移設・復旧が必要な範囲
- 壁・床などを直す場合の解体、断熱、内装仕上げの範囲
- 換気の改善、家具移動、養生など、関連作業の範囲
比べたいのは、窓だけの案で何を改善し、どの悩みが残る可能性があるか。そして、壁や床まで含める案では、どこまで工事が増えるかです。見送る部分も明確にすると、予算をどこへ使うか判断しやすくなります。
この記事では、現地の条件が分からないまま一律の工事価格や削減率は示していません。部分的な対策を希望する場合も、今後の内装・間取り変更の予定を伝えておくと、工事を重ねる範囲を整理できます。
08 相談前に、写真と「いつ・どこで」を残す
水滴を拭く前に、無理のない範囲で写真を撮っておくと説明しやすくなります。次の情報は、原因を絞る手がかりです。全部揃ってからでなくても相談できます。
- どこが濡れるか:窓全体、ガラス・枠の接写、窓台、壁や収納の様子。
- いつ起こるか:朝、暖房中、部屋干しの日、雨の後など。時刻と天候も分かる範囲で。
- 室内の状態:分かれば室温・湿度と測定場所、暖房・加湿器・換気の使い方。
- 建物の情報:所在地、戸建て・マンション、築年のおよそ、所有中か購入検討中か。
- これから直したいこと:結露のほか、寒さ・内装・間取り・設備、希望時期・予算の目安。
図面や窓の製品表示、マンションの管理規約があれば一緒にご用意ください。写真で分かる範囲を整理し、実際の寸法・取付け状態や湿りの原因など、現地で確かめることを分けて進めます。
09 結露対策のよくある疑問
ペアガラスなのに結露するのは、不良ですか?
室内側の表面結露だけで不良とは判断できません。湿度が高い、ガラスの端部や枠が冷えるなど、仕様と環境の両方が関係します。拭けない密閉層の曇りは別の問題なので、施工店・メーカーへ相談してください。
北側の部屋だけ結露するなら、そこだけ内窓でよい?
その部屋の窓から対策する案は検討できます。ただし、外壁側の収納や家具の裏も湿っているなら、窓以外の冷えや空気の流れも確認します。方角だけで工事範囲を決めません。
暖房で湿度の表示が下がれば、湿気は減っていますか?
水蒸気を取り除かずに空気を暖めても、相対湿度の表示は下がります。暖房しただけで室内の水分が外へ出るわけではありません。換気・除湿と、面の温度の改善を分けて考えましょう。[2]
夏も同じように窓を開ければよいですか?
夏は、湿った外気が冷房などで冷えた面に触れ、結露する場合もあります。冬の対策をそのまま当てはめず、結露する面・外気の湿り・冷房の状態を分けて確認します。[8]
参考資料
一般的な仕組み・対策は、以下の公的機関・専門団体・メーカー資料を参照しています。工事範囲の検討順序や相談用チェック項目は、この記事で整理したものです。資料確認日:2026年10月27日。
- 気象庁「気温、湿度」露点温度等の定義
- チノー「露点温度とは?」近似式と温湿度の関係
- 日本建材・住宅設備産業協会「窓面の結露対策とは」
- 日本サッシ協会「複層ガラスの中空層内結露」
- 住宅金融普及協会「住まいの結露対策と水蒸気」
- 硝子繊維協会「結露対策」住まい方と断熱
- 国土交通省「住宅等における換気等に関する情報提供について」
- 住宅リフォーム・紛争処理支援センター「住宅紛争処理技術関連資料集/結露」
- YKK AP「内窓設置後の外窓の結露を抑制する方法」
- 国土交通省「専用使用権とは何ですか」
- YKK AP「窓ガラスの交換方法は?」
- 国土交通省「住宅の省エネルギー設計と施工」断熱リフォームの注意事項
- 硝子繊維協会「結露対策」内部結露の防湿・湿気排出
- 国土交通省「事例調査を踏まえた木造官庁施設の施工管理・工事監理に関する留意事項集」(令和3年6月)第6章・本文39ページ/PDF43ページ目